一遍と今をあるく

哲学カフェ一遍

2017年09月19日

寒来暑往 八木亀太郎

9 南溟の友スジョノ君 (二)

昭和十三年、例によって森さんと話をしているところへ、一人の貴公子然とした紳士が現れた。年の頃三十四、五、顔の色はやや黄灰色だが、瓜実顔で眉目秀麗、かすかに香水の匂いがする。長さんが改まって二人を紹介してくれた。これがマレー語のスジョノ先生だったのである。

2017年09月11日

時事随感 難波紘二

新聞小説


今、同じ「日経」に伊集院静「琥珀(こはく)の夢」という、サントリーの創業者、鳥井信次郎をモデルにした連載小説が載っている。有名な作家だということは知っているが、小説は読んだことがない。

 有名な「赤玉ポートワイン」が鳥井の創作になるとは知らなかった。

2017年09月07日

寒来暑往 八木亀太郎

9 南溟の友スジョノ君 (一)

昔の校舎は木造バラックで老朽もよいところだった。廊下などにも穴があいていたりして、注意して歩かないと足を突込むおそれがあったし、薄汚ない天井からは五燭か十燭の裸電球がぶら下がっていて、しかもそれが埃だらけときているのだから、どう見ても、天下に名だたる東京外語の建物というにはあまりにもお粗末だった。

2017年09月05日

時事随感 難波紘二

記事がわからん

「記事がわからん」というのは、例の大洗の被曝事故についての報道で、①作業員5名の正規の所属がいまだに報じられない、②原子力機構が公開した、爆発が起こったチャンバーと周囲の床の状況写真と新聞のイラストや記事との間に食い違いがあるという2点だ。