一遍と今をあるく

よもだ俳句と暮らしの点描

みなさん、「よもだ」ってご存知ですか?
「よもだ」とは伊予の方言でマイナスの意味もありますが、肯定的に「罪のない冗談・親しみがありなんだか憎めない遊び心、またはそのような人」といった意味です。伊予の風土に根ざした何とも温かいことばなのです。
ここでは、肩ひじ張らず気軽に詠んだユーモアあふれる俳句を「よもだ俳句」と呼ぶことにします。そして筆者が日常の生活の中で、よもだ的視点で気付いたこと、考えたことなどをよもだ俳句とともに綴りたいと思います。ご愛読いただければ幸いです。

2017年02月23日

耳をすませば、はじまりの音

ウグイスは「春告鳥(はるつげどり)」と呼ばれる。春は巣立ちの季節。どこかウグイスの鳴き声にも似たコカリナが奏でる「ふるさと」の音色は、その昔故郷をあとにした者、この春に故郷を旅立つ者、誰もが抱く原点の「こころざし」を想起させるノスタルジーであふれていた。

どこからか鶯(うぐいす)のこえ行ってきます

2017年02月14日

「最強の市民ランナー」伊予路独走!

このたび川内選手のゴールの瞬間を間近で見たのだが、大会記録を52年ぶりに塗り替えた彼の走りは、まさに愛媛に来襲した春の嵐のようだった。そんな川内選手の今後の進路は、今夏の世界陸上さらには2020年の東京五輪にも向かっているのでは。そこで東京五輪でも、彼が疾走してくれることを願って1句、

伊予路から東北東へ春疾風(はるはやて)

2017年02月07日

春はすぐそこ。

明日は立春。暦の上ではもう春である。境内の木々のつぼみも、一足早い春の気配を感じとっていただろうか。そこで1句、

石手寺に笑顔弾(はじ)けて春隣(はるとなり)

2017年01月23日

道後温泉に新しい風

えひめ国体・えひめ大会を前に、道後の新たな時代の幕開けである。明治の文豪、漱石も絶賛した道後温泉。その名に恥じぬ気鋭の温泉文化の拠点として、飛鳥乃温泉が末永く興隆することを願いつつ1句、

初東風(はつこち)に温故知新の道後かな

2017年01月12日

君の名は、ナズナ?

ネット社会に入り浸り、リアルと非リアルに距離がある現代日本の若者は、「七草」は検索し知ることはできても、現物を見て言い当てることがはたしてできるか疑わしい。そこで、若者中心にヒットしている映画にあやかって1句、

かくも似た七草に問ふ君の名は

2017年01月06日

駆ける2017 ~えひめ国体・えひめ大会に向かって

まばゆいばかりのオレンジの光線の勢いに圧倒された私は、無我夢中でシャッターを切り続けた。新年最初の朝日を浴び、おごそかな気分になったところで1句、  

ちはやふる神の如きのはつひかな

2016年12月12日

船を降りたら俳句の島

あいにくの雨だったが、甘いみかんの島のおもてなしに、一時の憩いを感じるよい1日となった。最後に1句、

雨もよしだいだいはえしみかん島