一遍と今をあるく

哲学カフェ一遍

いよいよ正式訪問行事が始まった

二十八日が正式訪問で、大砲をゴンゴンお互いに撃ち合いして…。午後にパレードをやってます。

総勢百人を超えてますよ。先頭に足軽の兵隊がライフルー上等の鉄砲ですーを担いで並んで行進、その先には乗馬で物頭入江佐吉が立ち、ライフル兵隊の後に松根図書の息子の内藏―のちの権六ですーが、騎乗で英士官の馬列の前を行く。英士官二十人は馬で二列、パークスの奥さんと子供は駕籠で士官の後に続く。駕籠かきは十人出ています。英国の兵隊がその後に四列に並んで行進。最後に物頭鈴木忠衛門が馬に乗り、足軽兵隊のライフル隊の先頭に立つ。なかなか、美々しくさぞかし見ものだったでしょう。

それから南御殿で歓迎式典。玄関で松根図書が挨拶して、三瀬周三が通訳します。イギリスのソルジャー(兵士)とか藩士はお白洲で見る。イギリスの従卒には椅子を出した。仕官は特別で、まずお客間に上げて茶と煙草盆を出し、ちょっと休んで、お白洲で武芸をやり、屋内では音楽演奏をやる。士官はそれから御休息所という奥の広間に行き、そこに殿さまが出てきて、いろいろと交歓します。この時は毛氈を敷いて、三方、お茶、煙草盆を出した。

この日は新暦の八月八日、真夏ですよ。それを樺崎から御殿までの五,六キロを歩いたら二時間近くはかかったと思います。大汗かいているわけですよ。お茶を出して、それから二階で酒宴をやります。この時に御殿の姫君とか家老の奥方なんかが出て一緒に楽しくやったと―「まったくこれはヨーロッパ流だ」とパークスが感じたわけですね。

それからお庭を散歩した後、大広間に上って二汁七菜の大ご馳走。日本食です。皆座って、椅子なんか出さなかった。兵隊は控所で一汁二菜です。

この時に医師のウイリスが春山公を診察しています。「あなたは上等です。歳を取っただけです」―公はこの時七十五歳です。

八時頃になって、南御殿から枡形まで提灯行列で、藩士が並んで送っている。これが大受けしたらしいですね。

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