一遍と今をあるく

哲学カフェ一遍

2016出版事情

TBS系(ヤフーで閲覧)が、「41年ぶりに雑誌の販売が書籍下回る、電子出版が影響」と報じていた。いま新聞広告を見ると、「産経」は右派の雑誌広告、「毎日」も右派の書籍広告が主体で、「日経」はビジネス書、「中国」は何でもありと、見ただけで本と雑誌が売れていないことがわかる。

 「今年出版された紙の書籍と雑誌の販売額は推定で1兆4500億円となり、12年連続で減少する見通し」だそうだが、金持ちも貧乏人も1日は24時間。テレビやネットに使う時間が増えれば、紙媒体を読む時間が減るのは当たり前で、本と雑誌だけでなく新聞購読数も同様な影響を受けるだろう。福山市の高校で行われたある調査によれば、新聞はテレビ番組欄しか見ないという高校生が4割もいたそうだ。

 総合誌は主に「文藝春秋」と「新潮45」を読んでいるが、どちらも記事のレベルの低下が気になる。これでは早晩、読者離れが起きるのではあるまいか。「科学論文」にせよとはいわないが、エビデンスを提示した上で、論理的展開により、有益な結論に達するような書き方が必要だと思う。随筆なのか雑談なのかわからないような記事は編集長が没にするべきだと思う。

 私はKindleもiPADも持っているが、付箋が貼れ、書き込みができる紙本の利点が捨てがたく、電子ブックはほとんど利用していない。おかげで書庫は本だらけだ。丸善のHONTOだとパソコンに転送が利き、テキストの色つけ、アンダーライン、書き込みが自由だと聞いたが、ひょっとするとこちらにスィッチするかも知れない。

 2017年は、出版界にとって大きな転換になりそうな気がする。