一遍と今をあるく

哲学カフェ一遍

知られていないアレクサンダー・フォン・シーボルト

宗城公とアレックス・フォン・シーボルト

明治三年(一八七〇)、鉄道借款について大隈重信・伊藤俊輔は元英国外交官だったネルソン・レイの詐欺事件に引っかかる。彼らの上司である伊達大蔵卿が最終責任者であります。それで、宗城公はアレックスを日本の外務省にとる。これも宗城の差し金です。宗城公は、外務大掾の後で外務大臣となる松木洪庵(弘安・寺島宗利)に、「アレックスをとってはどうか」ということを言ってますから。結局、明治三年から日本外務省―外務大臣が宗城公ですから、子供の頃から知っているアレックスを採ったのでしょう。

右から井上馨外相、アレックス・シーボルト、パークス、一人おいてアーネスト・サトウ

そこに実物を展示してありますが、候文のシーボルト文章です。シーボルトの書翰は伊達家に数通あります。このへんは省略します。

これは明治神宮の宝物殿の絵です。解説には、矢印の人がアーネスト・サトウと書いてありますが大間違いでアレックスで、この時は外務省の通訳兼事務官になっています。アーネスト・サトウはパークスの後にいます。

参考文献:「歴史のうわじま 第七号」

 

 

慶応二年の宗城公あてアレックス書簡 英戦術書につけたもの

アレックス・シーボルトの献言で造幣されたスタンプ(植村峻氏提供)

明C治三年十二月在欧のアレックス・シーボルトから宗城あて書簡