2017年02月02日
寒来暑往 八木亀太郎
鈴木さんという岡田翁の青年秘書が二人を迎えに来た。最初はたしか夕方に有楽町から省線に乗り、高間さんと三人で代々木の岡田邸に赴いた。 開けっ放しの電車の窓から時折、涼風が吹きつけ、吊り革をもって私の横に立っていたワイシャツ姿の高間さんの赤い無地のネクタイが風にゆらいでいた。