一遍と今をあるく

よもだ俳句と暮らしの点描

春はすぐそこ。

2月3日は節分である。ゆえに、「鬼は外 鬼はどこぞの大統領」と超個性派リーダーの誕生に騒然としている米国を揶揄(やゆ)して、川柳のひとつでも詠みたくなる情勢である。この新しい大統領、名はトランプなのにハート不足のようで、その言動は実によく世界を振り回している。したがって、「時事随感」の難波先生と同感で、これからの世界の動向には目が離せない思いだ。

 

                    野志克仁松山市長

話は戻って、2月3日のこの日はきれいに晴れ渡り、県内各地で節分の行事が行われた。このうち松山市石手の四国霊場51番札所・石手寺では恒例の節分祭があり、福を求める大勢の参拝客が詰めかけた。

 

餅まきでは、石手幼稚園の園児や年男らが櫓(やぐら)の上から厄除けの節分豆が入った豆袋や紅白餅を投げ、悪霊を払い春の到来を祝った。壇上には、野志克仁松山市長の姿も見えた。

 

            護摩祈祷の様子

餅まきの後には、護摩(ごま)祈祷(きとう)とよばれる修験(しゅげん)道(どう)の護摩焚きが行われた。これは、野外において山伏(やまぶし)が生木や柴などを積み上げて火を焚くというもので、五穀豊穣や家内安全等が祈願されるとのことである。

 

     「ささら」を持つ赤鬼

境内には青鬼、赤鬼も登場した。石手寺の節分行事では、鬼に豆をぶつけるのではなく鬼の方が参拝者を「ささら」と呼ばれる竹の棒で叩くのだ。これにより厄が落とされ福がもたらされるといわれている。私も青鬼さんに、肩や背中を叩いてもらった。頑固な肩凝りもこれで解消されるはずである。(笑)。

 

この日は本当に、日々の憂いが飛んでいくかのような見事な晴天だった。そんな好天に恵まれたせいもあってか、参拝客の表情は皆どこか明るく、福の訪れを予感させられるものだった。

明日は立春。暦の上ではもう春である。境内の木々のつぼみも、一足早い春の気配を感じとっていただろうか。そこで1句、

石手寺に笑顔弾(はじ)けて春隣(はるとなり)   (佑)