F15号 油彩
待つというと、大正浪漫を風靡した「宵待草」の哀調あふれるメロディーと歌詞、それに挿絵に描かれたうりざね顔でやなぎ腰の女性が目に浮かぶ。 それから一世紀。時代も女性も変わった。
すこやかに自立した現代の女性の、信じ、待つ意志が、勁い光となってまなざしに宿っている。 濃紺のセーター、手作りの白いカーディガン、膝に揃えて置かれた両手。 女性の質実な美しさが飾りをそぎ落とした画面に見事に表現されている。