一遍と今をあるく

ギャラリー

「コガモ」

「僕は子供じゃないんだ」

ある新聞の記事に、「親子仲良く水遊び」と見出しがあって、マガモとコガモが一緒に泳いでいる写真が載りました。漢字で書けばマガモは「真鴨」、コガモは「小鴨」です。「仔鴨」ではありません。マガモ全長59cm、コガモは37.5cm、大きさの違いから親子だと見られたのでしょう。記者もデスクも「いい写真が撮れた」と喜んだのかも知れません。顔の模様などずいぶん違います。大人になれば、頭全体がマガモのように深緑色に変わると考えた可能性もあります。

また、数種の野鳥写真を提供したときのことです。「シジュウカラの写真の画角がおかしいので直しておきました」と記者からの連絡。出来上がった紙面を見ると、写真は90度回転されて載っていました。樹の幹に頭を下にしてやや斜めに止まっていたシジュウカラは、横枝にとまっているように変わっていました。鳥は枝にまっすぐとまるものだ、という思い込みがあるようです。

暮らしの中で、思い込みによって自分自身を束縛している場面も多いのではないか、と気を付けることにしています。〔2016/03/24記〕
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コガモ♀ (2016年3月23日松山市石手川にて)

コガモ  カモ目カモ科マガモ属

Anas crecca  全長37.5cm 冬鳥

カモ類の中では最も小型。雄は「ピリッピリッ」と笛のような特徴のある声。雌は「グェーグェーグェーッ」とマガモの声に似る。小さい溜池や川の中流域などに群れでいることが多い。雄は目の周りから首にかけての特徴のある模様で識別しやすい。
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マガモの♀と♂(2006年1月22日松山市東野にて)
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マガモ♂ 全長59cm(2006年12月30日松山市東野にて)