日本でしか見られない“日本固有種”
セグロセキレイ(背黒鶺鴒) スズメ目セキレイ科セキレイ属
Motacilla grandis 全長 21cm 留鳥
(2016年7月18日松山市新石手)
白と黒だけのモノトーン。背が黒いところからこの名がある。このほかよく見られるセキレイ類としてキセキレイ、ハクセキレイがいる。キセキレイは「チチッ・チチッ」、ハクセキレイは「チチン・チチン」、セグロセキレイは「ジジッ・ジジッ」と鳴き、慣れるとその声だけで識別が出来る。本種は水辺に近いところに多く、日本だけで見ることの出来る“日本固有種”である。英名をJapanese Wagtailという。(2016年7月18日記)
日本固有種は
およそ12種ほどとされています。やや曖昧なのは、領土問題がからんでくるからです。セグロセキレイのほかは、キジ、ヤマドリ、ヤンバルクイナ、アオゲラ、アカヒゲ、カヤクグリ、ルリカケス、アマミヤマシギ、ノグチゲラ、アカコッコ、メグロです。
珍しい鳥を見つける競争
バードウォッチンをしている人の中にはこの傾向の強い人が少なくありません。またどれだけ多くの鳥を見たか、という競争を意識する人も少なくありません。一生で何種見たかを「ライフリスト」といいます。それを増やすために外国へ出かける人も多くなりました。ちなみに最近のあるツアーの案内を見てみましょう。
- ドナウ川三角洲バードウォッチング 10日間 698,000円
- 8月のモンゴル中央ゴビバードウォッチング 8日間 528,000円
- エストニア秋のバードウォッチング 8日間 558,000円
- フィジー諸島バードウォッチング 8日間 598.000円
- 南アフリカ・ケープ地方バードウォッチング 9日間565,000円
- 台湾バードフォトツアー 5日間 298,000円 日本で見られる鳥(と言っても一度だけ記録されたものも含みますが)2000年現在の『日本鳥類目録』では542種、外来種26種、合計568種です。
- 私など、普通の生活の中で鳥に出会ったら記録する方法なので、現在の「ライフリスト」は230種くらいに過ぎません。
- などなど、「趣味は論じるなかれ」と言われますが、好きな人は好きなんですねぇ。帰国してからその人たちは何をなさると思いますか? 見てきた鳥の写真を(これが証拠だ!という感じで)それとなく鳥仲間に披露します。年賀状で報告する方も少なくありません。一般の「海外旅行」とそれは変わらないことではありますが。そこにある目的で「臨場すること」が大事なのですから。
かつてはこんなことも
1990年ころのことです。日本野鳥の会主催などで「バードソン」というものが全国規模で行われました。「バードソン」とは、バードウォッチングとマラソンを合体した名称です。12時間以内に何種類の鳥を観察するかの競争です。4人一組で車などを利用して移動します。支援者がそれぞれの地域で構えていてここに何が居るとの連絡支援をします。携帯電話の普及していない時代です。アマチュア無線が力を発揮しました。「野鳥保護資金を得る」ためのチャリティーですからそれなりの意義は認められましたが、やはりこれは“邪道”だったのですね。1991年には5回目が行われましたが数年で姿を消しました。いまではWeb検索でも出てこないようです。恥ずかしい歴史だったのでしょうか。
また、あるときは、「日本初記録」あるいは「この地方初記録」と日本野鳥の会本部に次々と個人報告が入るものですから、それを認めるかどうかの「検討委員会」が設置されたこともあります。今のように写真情報あふれる時代ではなかったものですから、その信憑性の確認が大変だったのです。