一遍と今をあるく

ギャラリー

「イソヒヨドリ」

海なの、山なの、どちらなの? 

イソヒヨドリ  スズメ目ヒタキ科イソヒヨドリ属

Monticola solitarius 全長 25cm 留鳥

囀るイソヒヨドリ雄 (2015年3月29日松山市東野)

イソヒヨドリ雌 (2016年2月12日松山市)

雌は全体に灰色で縞模様があるが、雄は背面の青と腹部の赤褐色で華麗。鳴き声は声量豊かで「ツツピーコ、ピールルル、ツツピーコキコピールル」などと聞こえ、よく響く。県内では主に海岸部に生息、繁殖期には早朝5時頃、電車や車の走行が少ない時刻、愛媛県庁のビル上などで囀っているのを見聞きできる。また市内の住宅地でもよく囀っている。(2016年6月30日記)

住宅の窓辺に来ているイソヒヨドリ雄(2012年4月4日松山市東野)

磯ひよどり4

『愛媛の野鳥観察ハンドブック-はばたき-』(日本野鳥の会愛媛県支部編・愛媛新聞社1992年刊)イソヒヨドリのページより。

上図の、愛媛県内の分布模式図を見れば圧倒的に海岸部に多いですね。ただ海から数十キロ離れた山間部、久万高原町や西予市野村町・城川町など県内あちこちに生息しています。

学名(Monticola solitarius )モンティコーラは「山にすむ」という意味で、

ソリタリウスは「孤独の」という意味。確かに単独でいることが多い鳥ですが、「山にすむ」というのは、愛媛県内あるいは全国的な分布から見て納得しがたいところがあります。アフリカ大陸北部、ユーラシア大陸南部、中国大陸、地中海沿岸など分布域が広いため、山の方に多く住んでいる地域があるのかも知れません。学名は一度決まったら二度と変えることの出来ないものだそうで、あとで「しまった、やっちゃった」となっているのかも知れません。