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 「ミソサザイ」

どの家にしますか?

ミソサザイ  スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属

Troglodytes troglodytes  全長10.5cm 留鳥

里山から亜高山帯まで、主に谷沿いの林に生息。その小さな体からは考えられないほどの声量で、複雑な囀りを終日続ける。積雪の残る2月ころから歌い始める。いままさに、その囀り最盛期である。〔2016年5月23日記〕

囀るミソサザイ (松山市高縄山にて)

ミソサザイ2

 

 

 

 

 

 

巣材の水苔を運ぶミソサザイ(2016年5月20日 東温市上林にて)

通常、雄は数個の巣を作って雌に提供します。雌はその中から気に入った1個を選び内装(羽毛などを詰める作業)を完成させ産卵します。

数個の中から選べるので、雌は恵まれているといえますが、しばしば「一夫多妻」の形を取ると言われています。その場合、雄は相当の数の家を建設しなければなりませんね。

ミソザザイ3

 

 

 

 

 

 

ミソサザイの巣(2016年5月20日東温市上林にて)

水苔などで球形に作り、側面に出入り口を設けます。

一般に、野鳥の巣は「産室」と「育児室」の役目をするところであり、ヒトのリビングルームのような場所ではありません。女子大生などが「巣箱作り」を行うと、窓があってカーテンが引かれ、入り口に階段がついているようなものを作ることが多いそうです。夢があるのはいいのですが、巣箱には、入り口が小さく静かで暗く、外敵に襲われにくい産室・育児室の機能が求められます。

ミソサザイ4

 

 

 

 

 

 

囀るミソサザイ(2010年5月5日 東温市上林にて)

春夏の繁殖期に森林帯に行けば、その囀りに出会えない日はないと言っていいでしょう。またWeb上でも「ミソサザイ 囀り」で検索すればYouTubeなどで沢山の囀りの動画・画像を見ることが出来ます。

その囀りは複雑・長大です。聞き做しは「一ぴー二とく三ぴー四ない五ちーちー(いちぴーにーとくさんぴーしーないごっちーちー)のぶんぷくちくりんちゃん」とされています。その意味するところは分かりません。

(「聞き做し」については、「ホオジロ」のページでも詳しく述べています)。

ときに「ミソサザエ」という人もいますが、味噌汁の中の栄螺(さざえ)ではなくて、「ミソサザイ」です。「ミソ」は「溝」、「サザイ」は「小さなもの」という意味から来ている和名です。