一遍と今をあるく

ギャラリー

「オオルリ」

「雌雄同色」「雌雄異色」「男女同権」

オオルリ  スズメ目ヒタキ科オオルリ属

Cyanoptila cyanomelana  全長17cm 夏鳥

雄は、よく目立つ梢などで「ピーリーロー・ピーチョチョピー・ジジツ」と聞こえる声で一日中囀っている。雌に対するラブソングでもあり、「この辺りは我が家の領分だぞ」と縄張りを主張しているテリトリソングでもある。囀るオオルリ雄(2010年5月2日 東温市上林にて)

4月から5月、爽やかな野山に夏鳥たちが帰ってきます。オオルリもその一つ、これからカップルとなって巣を作り子育てを始めます。気になるのはその子育ての仕方。雄・雌それぞれの役割。そしてその色合いの違いです。[2016/05/06記]  )

オオルリ2

 

 

 

 

 

 

囀るオオルリ雄(2011年7月4日松山市畑寺にて) 頭部から背中・尾にかけて濃い瑠璃色、腹部は白。遠目にはツバメに似ているため「ヤマツバクロ」と呼ぶ地方もあります。キジバト、ヒヨドリ、スズメ、ツバメなど「雌雄同色」の鳥もいますが、多くのものは雄・雌極端に色彩が違います。一般に雄のほうが派手な色合いですが、タマシギやアカエリヒレアシシギなどは雌のほうが鮮やかです。産卵すると、雌は抱卵や育雛を雄にまかせ、さっさと他の雄を求めて行ってしまいます。

 

 

 

オオルリ3

 

 

 

 

 

 

オオルリ雌(2011年7月4日松山市畑寺にて) 全体が地味なオリーブ褐色。オオルリは珍しく雌も囀ります。ヒトの場合、雄と雌、いや男と女では、どちらが派手といえるでしょうか? ヒト社会では、男女同権、男女共同参画、雇用均等などと複雑な問題が起こっています。権利とか権限とか利権などという仕組みが出来たせいでしょう。しかし生き物であることをやめたわけではありません。社会学的差別と生物学的区別を混同して騒いでいるヒトたちが多くなりました。野生生物をよく見て、今一度、生き物はどう生活しているのか考えて見たいものです。さもないと「少子化社会」がいつまでも続くことになるのではないでしょうか。

 

オオルリ4

 

 

 

 

 

 

 

ヒナにエサを運んで育雛中の雄、いわばオオルリの「イクメン」、 もし、雄が雌のように抱卵しなければならないとすれば、外敵に見つからないよう色彩を変えなければなりません。ヒトならばおそらく、雌のような色合いのジャケットでも買ってきて羽織ることになるでしょう。

 

オオルリ5

 

 

 

 

 

 

抱卵中のオオルリ雌。目立たない保護色です。外敵に見つからないように出来ています。