一遍と今をあるく

ギャラリー

「ジョウビタキ」

「馬鹿っちょ」

「ひんかち」「もんつきどり」「もんかち」「ばかっちょ」など沢山の方言名で呼ばれています。「ひんかち」は、いつもよく鳴いているその鳴き声「ヒッヒッ・カッカッ」から、「もんつきどり」は翼にある紋付のような白斑から。「ばかっちょ」は、人を恐れずすぐそばまで近づいてくることが多いためです。多くの野鳥は人を見ればいち早く逃げ去ります。ジョウビタキは畑仕事や庭掃除などをしていると数メートルの近くにまで寄ってきます。土中や落ち葉の下から昆虫類が掻き出されるのを待っているのです。馬鹿などでなく利口そのものというべきですが、そんなに近くまで寄ってくる姿に「お前、馬鹿か」と親しみを込めて呼んだものでしょう。「害虫駆除」と「食糧獲得」という、ヒトと野鳥のウインウイン関係の典型例と言えます。今治市の東予国民休暇村の探鳥会では、参加者十数人の目の前1メートル50センチまで雌がやって来て、しばらく見つめ合ったことがあります。〔2016/03/07記〕
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ジョウビタキ♀ (2015年11月16日松山市にて)

ジョウビタキ  スズメ目ツグミ科ジョウビタキ属

Phoenicurus auroreus 全長14cm 冬鳥

繁殖地はシベリアのバイカル湖の近く、サハリンや中国北部など。日本ではそれぞれ縄張りを持って平地から山地の開けた農耕地や河原、民家の庭などで単独で暮らす。お辞儀をするような動作や尾を細かく震わせる仕草などが特徴。
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コスモス畑のジョウビタキ♂(2009/10/23松山市にて)
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ジョウビタキ♂ 畑などで縄張りを持つことが多い。(2009/11/15松山市にて)
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ジョウビタキ♀ つぶらな瞳のとりこになるバードウォッチャーも少なくない。(2009/12/17松山市にて)
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ジョウビタキ♀ (2009/11/15松山市にて)

「ヒタキ」の名は、「カッカッ」という地鳴きが、火を焚くときの火打ち石を打ち付ける音に似ているところから来たと言われる。