一遍と今をあるく

えひめふるさと塾

第17回えひめふるさと塾講演「初春に想う」講師 加戸 守行 先生

第17回えひめふるさと塾 講演要旨

今から3年前、尖閣諸島の問題により中国各地でデモが行われ、日系企業の工場、スーパーなどが破壊・放火される事件が相次いだ。この当時、大韓航空に乗った時に私は「コリアンタイムス」という英字新聞を読んだ。社説に尖閣諸島問題についての記事があった。従軍慰安婦の強制連行と南京大虐殺について日本が謝罪も補償もしないからこういうことになる、という内容であった。唖然とし、同時に33年前の教科書問題を思い出した。当時、私が文第17回部省で大臣官房の総務課長だった時、文部省が教科書検定で「侵略」を「進出」に訂正させたという報道があった。これは誤報だったが、中国や韓国からの抗議で大騒動になった。そのため、日本は教科書を是正し、教科書検定基準に近隣諸国条項という項目を設けた。この条項はいわば中国や韓国が満足するような教科書でなければ検定を通さないという姿勢を示したことになった。同じ年、朝日新聞が吉田清治の従軍慰安婦強制連行に関する発言を記事にした。これらのことを前提に教科書検定が行われたという悲しい事実がある。去年、朝日新聞が間違いを認めたが、すでに間違いが世界中に流布され、アメリカ各地では従軍慰安婦の像まで立てられ、今さら消すことは大変である。朝日新聞が間違いを認めたのだから、日本はこれから世界に向けて理解を求めていくべきである。そのために、日本人として誇りをもてる教科書にしていくことだ。朝日新聞の誤報を前提とした社会認識を変えることができるいいチャンスだと思う。

安倍総理が先頭に立ち、正しい事実が明らかにされ、歪んだ教育は正されることになる。日本は戦後70年間平和を愛してきた国である。世界の平和に貢献する日本としての姿勢を持ちながら、日本の教育と国民の歴史認識を正していくことが私たちに求められている。一度出来上がった像を変えていくことは大変なことである。しかし、事実でないことがあたかも事実であるかのように社会に流布されたウイルスを絶滅させることは、私たちの役目である。子どもたちに日本人としての誇りを持たせる教育をすべきだと思う。

第17回2よく「教科書“を”教える」、「教科書“で”教える」という言葉を耳にする。教科書はとても重要な教材なので、先生方には大切にしてほしい。私自身、自分の子どもがどのような教科書を使っているのか読む機会を持たなかったことを反省している。是非父兄の方々には、自分の子どもたちがどのような教科書を使っているのか興味を持ってほしい。

日本では祝日に国旗を掲揚している家庭が少ないことを非常に不思議に思う。私がクロアチアに行った時、すべての家でクロアチアの国旗が掲揚されており、民族の団結と誇りが国旗に込められているように感じた。世界中の国歌を見ても、日本の国歌ほど歴史の古いものはない。国旗、国歌は日本の誇りである。もっと胸を張って、日本で生きている私たちが祝日に国旗を掲揚しようではないか。素晴らしい日本を誇りにして、平和な国家をつくっていこうという意思表示を、国旗の掲揚をすることで示してほしいと思う。日本を愛し、ふるさとを愛し、日本人に生まれてよかったなと思いながら生きていける社会になり、祝日には街が日の丸でいっぱいになる。それが私の夢である。

H27.1.17 (土)国際ホテル松山(文責 青山 淳平)