一遍と今をあるく

えひめふるさと塾

英語版一遍ご紹介

無題一遍の思想とその生涯について論じた著書の英語版『IPPEN-The Japanese Buddhist “Sage Who Abandoned All”』が上梓された。原著は昭和女子大学人間文化学部歴史文化学科教授の早田啓子教授の『一遍-その思想と生涯―』(東京堂出版、2013年2月)である。本書はその待望の英語版である。先生はこれまで何度も国外の国際学会で、一遍と浄土教に関する研究成果を発表され、その都度、一遍研究の英語版の必要を痛感されていた。海外の学者の仏教研究は素晴らしいものがあるが、それも親鸞までで、浄土教の完成者である一遍にまで至っていない。一遍については、英語版の良書がないのが研究の遅滞を招いていた。そこで満を持しての英語版の出版となった。日本語でも難解な仏教用語と思想、法語の意味や解釈には大変なご苦労があったことと推量される。

英語に訳されることによって、一遍の研究が国際的にも広まり、ひいては日本人と日本文化への理解が深まっていくことが大いに期待される。また一方で、英語と日本語を比較することで、私たち自身の一遍の研究にも大いに役立つことにもなる。

このカテゴリーでは、早田先生のご了解の下、英語版のさわりの箇所を何回かにわたって紹介することにした。その最初は、表紙と奥付である。なお英語版は、日本学術振興会の科学研究費助成事業の助成を受けて出版されていることを特記しておきたい。