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朝鮮地図・再び

朝鮮地図・再び

 

5/1「朝鮮日報」がこれまで北朝鮮がミサイルを発射した基地について報じていた。「北朝鮮が北倉でミサイル発射実験を行ったのは今回がはじめてで、新浦、元山、黄州、亀城などが、これまで何度もミサイルが発射された地域」だそうだ。だが地域の位置がすぐにはわからない。日本メディアなら「県」に相当する「道名」を前に付けるだろう。

例の「朝鮮半島全図」には地名索引がついていない。1度毎の経度線と緯度線で囲まれた四角を一つずつしらみつぶしに調べる羽目になった。時間はかかったが、

新浦(シンポ)= 咸鏡南道

元山(ウォンサン)=江原道

黄州(ファンジュ)=黄海北道

と判明した。「亀城」の位置はわからない。

念のため「平凡社・世界大地図帳」で、「亀城」を探した。この地図帳(アトラス)は索引が日本語と英語の両方があり便利だ。「きじょう」という日本語読みの索引があればいいがな、と思ってめくると果たして北朝鮮にあった。平安北道にあり、ほぼ北緯40度線上にある。これで、

亀城(クソン)=平安北道

と確定した。

こうして地図にマークしてみると北朝鮮のミサイル基地は、

①東部の海岸沿いの地帯

②西部の海岸に近い地域

③北倉(プクチャン)=平安南道 のような脊梁山脈の西の山陰

といった地域に秘匿されているようだ。4/29にICBMの発射に失敗したのは北倉の基地だ。

 

亀城がマップですぐに見つからなかったのは、鉄道を示す太い白黒の縞線と「亀城」という文字が重なっていたためだった。この地図は「パシフィックヴィジョン」という東京の会社が刊行したものだが、使えば使うほど欠点が目立つ。折り目が少し破れて来たので、使い込んで早急に捨てるつもりだ。

 

5/1「産経」は【緊迫 朝鮮半島】という特集で、トランプ大統領が指揮する米軍の対北朝鮮攻撃の戦略・戦術の見通しを報じていた。

①「北朝鮮の核施設や大陸間弾道ミサイル(ICBM)関連施設に対する限定攻撃」:これには4月25日に韓国・釜山(プサン)に入港した、巡行ミサイル トマホーク154発を装備する原子力潜水艦ミシガンが中心になるだろう、という。

②「米領グアムや米本土から展開されるB2ステルス爆撃機は、地中深くの施設を打撃する特殊貫通弾「バンカーバスター」を搭載可能。アフガニスタン駐留米軍が4月13日に同国東部で投下した大規模爆風爆弾(MOAB)の使用も有力な選択肢」という。

米軍が4/26に韓国・慶尚北道・星州(ソンジュ)のゴルフ場に搬入したTHAAD(高々度防衛ミサイル)も同様な目的で使用されるのだろう。

 

それにしても5/1「中央日報」の<【時視各角】韓国に「ただはない」を悟らせたトランプ大統領>という論評にはあきれる。

http://japanese.joins.com/article/658/228658.html?servcode=100&sectcode=120&cloc=jp|main|inside_left

<壬辰倭乱の時もそうだった。四六時中待っていた明の軍が到着した。外敵を防ぐまではよかったが、彼らを食べさせて介護する軍需費用はすべてこの地の民が負担しなければならなかった。>と嘆いている。

そんなこと当たり前ではないか。前5世紀「第1次ペルシア」戦争の時ペロポネソス海峡を渡り、陸路アテネを目指したダリウス大王の軍隊の食事は、すべて沿道のギリシア人が提供させられている。ペルシア軍は占領軍だ。明は同盟軍ではないか。

「第2次壬辰矮乱(1597)」の時、明軍が救援しなければ朝鮮は日本軍に完全占領されていた。「白江村の戦い(663)」も唐軍の介入がなければ、新羅は敗北し百済の独立は保たれたはずだ。

大局的な見方が出来ず、狭い世界のなかで威張りくさし、損だ得だという近視眼的人物を「夜郎自大」というが、この論評氏などさしずめその典型だな…

 

米軍が4/6にシリア政府軍を攻撃した際には、東地中海に展開した駆逐艦隊から59発のトマホークが発射し、シリア軍の航空基地を破壊した。

4/13にアフガニスタンでアルカイダの地下本部を破壊した時には、ステルス爆撃機からMOABを投下している。

いずれも「対北朝鮮作戦」のリハーサルであろうということは、前に指摘した。